『まほろまてぃっく もっと美しいもの』最終回

   今まで築き上げた作品世界をすべて放り投げて、まるで違う話(「まほろさんと出会ったことで僕はもっと不幸になった」という今までの話を台無しにするようなモノローグから始まるブレードランナーもどきの世界で、昔の面影の欠片もないデザインの30代の優がサイボーグ狩りをしているというファンの予想を超えすぎた展開)にしてしまったことが、不評の原因の多数意見。当時のファンの反応をリサーチしていれば「ちょっとハードな話になってしまったから」なんて意見には成らないと思う。

『宇宙のステルヴィア』

「自分のお気に入りのキャラがキスした」から騒いだのではない。劇中でそこに至るまでの二人のドラマも伏線もほとんど描かれないまま、いきなり「実は好きだったんだ」でキスシーンという視聴者を置いてけぼりにした展開に対する反発が騒ぎの本質だった。
 実際、ドラマのクライマックスかと思われたグレートミッションがほんの数話目で終わってしまい、シリーズの折り返しが前記の唐突な恋愛ネタ。以後延々とよくわからない異変(宇宙人襲来)と主人公周辺で鬱屈としたドラマが繰り広げられるというだらけた展開が続くなど、シリーズ構成そのものが破綻したような結果に終わっている。
 いくらでも面白くできる素材を揃えながら、それらを十分生かし切れないまま終わったのが『ステルヴィア』という作品であり、その歪みの象徴たるものが「しーぽんのキス」だったと言えるのではないだろうか。

 自分の好きな萌えキャラが劇中で誰かとくっついたからと言って本気で怒るオタクというのは本当にいるのか? 二次元キャラにしか興味がないというステロタイプなオタクへの偏見にオタク論壇も毒されていないか(萌え系のオタクへの偏見、オタク内での内ゲバ)。同時期に放映されていた『ガドガード』『ラストエグザイル』でも人気の萌えヒロインがいたが、そちらに関しては恋愛的な部分もドラマや演出でしっかり描かれていたので、『ステルヴィア』ほどの拒否反応は無かったように思われる。特に『ガドガード』の場合は、その恋の対象である主人公・ハジキがヒロインにあまり目を向けていなかったので「とっととくっつけよ!」的な見方すらされていた。

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