オペアンプの比較試聴・中編
と言う訳で、先ほどの続きです。
オペアンプのインプレ中編に行ってみたいと思います。
前編はこちらからどうぞ。
・ オペアンプの比較試聴・前編(2006.5/8)オペアンプの紹介を全て写真付きに。
このせいで、サイトがちょっと重いかもしれません。ごめんなさい。
--新日本無線(JRC)--日本無線の子会社のひとつで、名前の通り、日本が誇る半導体メーカー。
ロボットや、オーディオ等の自作派、特に小型回路でお世話になる事が
多い低価格なICにお世話になってます。村上ファンドが買収しようと
してたけど、大丈夫なんだろうか(笑)
・NJM5532DD
2114D、2068Dを良くした音。低音もNJM系で一番出ていて
高域も伸びる。クリアな音質。綺麗な音とよく評されるが、
なるほどと言う感じ。
ドンシャリ気味だが、全ての音が前へ前へと出るため
とにかく華やか。(2604はこれよりやや高域が伸びて低域が丸い感じ)
迫力がある。音の定位も決して悪くない。
僕ならテクノ、特にミニマル、デトロイト系はコレを使いたい。
余談だが、ベリンガーのミキサー(DJミキサーも含めて)も
このオペアンプを採用している。
・NJM2114D(選別品は2114DD)
上位のオペアンプと比べると、スピード感がやや落ちるが
低音の響きが上記の中で一番強く、とにかくパワフル。
5532系の芯を太くしたような音で、高域がややキツく
音はやや硬め。昔のオンキョーのスピーカーみたいに聞こえるw
今回作ったCMOYの回路の抵抗の定数の問題のせいか、
上記の中で一番音が歪んだ。
(後日27V駆動で試してみたら、この問題は発生しなかったので
分圧回路とCMOYがパスコンの無い仕様のため、この辺りが怪しい)
傾向としては、低音が締まって、明るめのやや乾いた硬質な音で
ヘッドフォンにも寄るが、組み合わせ次第で
好結果を得られると思う。
DrHEAD改では非常に相性の良かったオペアンプ。
HipHop,Soul,Funkはこれが良いだろう。もちろんReggaeにも。
電源を入れた際のポップノイズも盛大。
『ボンッ!!』と言う音で、結構びっくりする(笑)
ちなみにホワイトノイズはほとんど無く、優秀。
・NJM2068D
2114D系のサウンド。ホワイトノイズは少なめ。
高域がやや張り出し、中低音が明るい感じに出る。
聴きやすいサウンド。JRCの音の特長だが、
骨太なサウンドでガッツがある。ロック等の荒々しい曲には
あるが、好みが分かれるだろう。
僕はこの音は結構好みだったりするw
こちらも省電力設計のようだ。
・NJM2082D
2068Dと同じく歯切れの良いサウンド。中高域が張り出して
低音がやや前に出る傾向がある(通電して20分も経ってないので
変わる可能性あり)J-FET入力のオペアンプの傾向なのか、
音が綺麗で、音のざらつき具合もほとんど気にならない。
2068Dより全体的に音が厚めだが、BBのように音は厚くないが、
JRCの音が好きならば、安いのでオススメなオペアンプ。
定位は良好。
ノイズは多少あるが、少なめの方だと思う。
性能はBBのOPA2134PAと似ていると言われるが
音はう〜ん。どうだろう。
・NJM4558D(選別品は4558DD)

こちらは歪みが2068よりかは少ない。
残留ノイズがやや出る。2114Dに近いサウンド。
音の分離や定位があまりよろしくないが、可も無く不可も無くと言う感じ。
なんというか、歪み具合がアナログレコードっぽい。M44Gっぽいと言うのが
分かりやすいかな?低域が2068Dよりは締まっているが
聴くジャンルにもよるが、これなら2114Dの方が良いだろう。
・NJM4560D
こちらもホワイトノイズがやや出る。2068DやNJM2114D系のサウンド。
音がやや軽い。全体的に中高域が張り出す。音の定位もまぁまぁ。
低音があまり前へ前へと出て来ないので、クラブミュージックには
相性があまり良くない?かも。どうだろうか。
・NJM4580DD
2114Dを良くした感じで、音はニュートラルに近い。
ギター用のエフェクターや、DJミキサー、PAミキサーでもよく使われる。
歪み感も無い。上もそれなりに出る。
NJM系の中ではバランスが良い方だと思う。
綺麗な音で、中高域が4560Dと同じように張り出す。
低音もそこそこ出ていて、今回試聴したJRCのオペアンプの中で
一番バランスが良いかも。どのジャンルにも合うし
これも長時間聴き易いだろう。ただし音の解像度は
組み合わせるヘッドフォンやイヤーフォンによるが、
不満が出ると思う。
50円と、価格も安いので、実験用にもオススメのオペアンプ。
・NJM022D
少しざらついた感じで、音が弱く、ややレンジが狭い。
4558Dにやや似たサウンド。歪みが2068と同じくらいか。
2114Dのような力強さは無い。
ホワイトノイズが多め。音域は上も伸びない代わりに下も控えめ。
このオペアンプは低消費電力のため、例えば単5×2本で動かす
携帯型の超小型&低消費電力のヘッドフォンアンプで
使うにはもってこいだが…どうだろうか?
ハイファイな感じは薄く、ノイズがFMラジオ放送を聴いている感じに近い。
消費電力はデータシートによると、130uAでかなり少ないが…
最低動作電圧は2Vから。
・NJM062D
NJM022Dより音が良い。はっきり分かる。
低音の出方だけなら、こちらの方が明かに上だろう。
高域はそこそこ。低域、中低域が盛り上がった感じ。
聴きやすい暖かみのあるサウンド。
誤解しないで欲しいが、決して凄く良い訳ではない。
ホワイトノイズは022Dより少ないが、それでも結構出ている。
なので、期待すると損するオペアンプ(笑)
5532DDと比べると、同じメーカーなので、音の色づけは
似た傾向があるが、向こうは賑やか、こっちはかなり情報量が劣るのか
落ち付いたサウンドで、高域が煩いヘッドフォンには
相性が良いかもしれない。Philips社のTDA1308のオペアンプと音が
似ているように感じた。
消費電力も少ないので、そう言う意味では
ヘッドフォンアンプには022Dと同じく、ぴったりのICだと思う。
エージングしてみて、どれくらい変わるか分からないが、これなら十分使えるか?
(最低動作電圧が2Vから。消費電力は200uA。
こちらも022Dと同じく、低消費電力。)
例えば単4電池2本で(場合によってはDC-DCコンで昇圧して)
駆動するHPAなど、消費電力を最優先するのであれば
これも悪くは無い選択だと思う。
(そう言う場合はAD8397を使えば良いのだが)
余談だが、電源をOFFにしても6〜7秒ほど音が出続けるくらい
022Dと062Dは消費電力が少ない。他のオペアンプはすぐ
ブツッと音が切れてしまう。
--テキサス・インストゥルメント(Texas Instruments)--バーブラウン社の親会社でもあり、世界500社の一つに
入るほどの世界的な半導体開発・製造企業。アメリカだと電卓メーカーとしても
有名なんだそうな。日本のNEC、日立、富士通と似てますな。
参照:ウィキペディアここのオペアンプも特長的で、音に透明感があると言われ
ギターのエフェクターによく使われる(らしい)。
・TL072CP
TL072はローノイズオペアンプ。ギターのエフェクター御用達。
バランスが良く、4580Dを一回り、いや二回りは良くした感じ。
音が前へ前へと出る。
OPA2604よりやや高域が引っ込むものの、
聴き劣りはしない。これは好みの問題だろう。
OPA2604、AD8066と比べると歪みがやや目立つが、
この価格(50円)で上と比べられるのは凄いと思う。空間的な表現が苦手と
評されるが、クラブミュージックには合うと思う。
明るい中高域、やや重厚感のある低音、弾けるベースは
聴いていて楽しくなる(笑)お勧めのオペアンプのひとつ。何より安いのも良い。
こちらも電源OFFにしてからもほんの少しのあいだ、音が出る。
これも低消費電力のオペアンプだと思って、早速データシートを調べてみたら
通常1.4mA、最大で2.5mAだから、かなり消費電力が少ないようだ。
最低動作電圧が4Vからだが、006P1個で使っても大丈夫のようだ。
・TL062CP
TL062は省電力オペアンプになっていて、
(ちなみにTL082は汎用オペアンプ)
TL072CPより線がやや太い音を出す。
ノイズはやや多め。
低域の量感も072よりアップ。その代わり
高域はTL072CPより目立たない。
そんなに出ない訳では無いと思う。
低音が目立つせいで、引っ込むように感じるだけじゃないだろうか。
(通電してまだ10分くらいなので、評価は変わる可能性アリ)
非常に弾力のある音で、こちらは低〜中低音が
やや盛り上がったサウンド。
ベースの音の響きがTL072より心地良い。
個人的好みだが、JPOPはこちらの方が良い。
クラブミュージックだとSoulやR&B等、
女性ボーカル物なんかを聴いてみたい。
TI社の特長か,何より聴きやすく、透明感のある心地良いサウンドと言う
表現がピッタリだ。TL072と比較して、
唯一聴き劣りする点はノイズだけだが、これもアダプタを介したり、
ハイインピーダンスのヘッドフォン等、
外で聴く分にはまず気にならないと思う。
省電力のせいか、電源を落としてもこちらも
しばらく音が出続ける(笑)
・TLC272CP
CMOS構造のため、消費電力が非常に少なく
(±3V〜±18V駆動。消費電流1.4mA〜3.2mA。
スルーレートは3.6V/μS。データシートより抜粋)
又低電圧で動作させることができるため、携帯端末などの
電池動作のものによく使われるらしい。
これも電源を落としても、コンデンサの静電容量が無くなるまで
しばらく音が出続ける(笑)
TI社らしい、透明感のあるサウンドで、アメリカでは非常に有名らしく、
これもエフェクターで良く使われるオペアンプだそうだ。
音は非常に綺麗、且つ華奢な感じで、美音と言う言葉が似合う。
アナログ的な音で、凄く心地が良い。
線の太いJRC系のオペアンプとは正反対で、聴いていて心地が良い。
やや中低音が盛りあがった感じで、弾力感のあるベース、ギターの音は
ハイは持ち上げた感じが少ない。分解能は
やや上位系のオペアンプに劣るが、外で使う分には気にならないだろう。
TL062CPのノイズを減らして、良くした感じと言うと
分かりやすいかも。ホワイトノイズは少なめ〜普通。
省電力+音も綺麗なので、これもオススメのオペアンプ。
・TL4558P
上のNJM4558Dと比べてこちらの方が音が華やか。
残留ノイズは4558Dと同じくらい。低音が締まっていてTL072CPより出る。
変わりに高域がやや線を細くしたような音。歪み感が出るので
好みが分かれる所。ベースやギターの音はTL系全般に言える事だが
聴いていて凄く気持ち良い。音の傾向はTL072CPと似ている。
向こうよりこっちの方が骨太なサウンド。HPAでオーディオ用途として
使うならば4558Dを買うよりも、こっちを勧める。
最後の後編へと続きます。
・ オペアンプの比較試聴・後編
Posted by AIR.at 01:56 Top |
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