優しい明かりよ、もう一度。
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781 名前: 名無し物書き@推敲中? 03/11/09 10:43
ある一軒の平屋。
子育てを終えた一人のお婆さんがいた。
その人は、近所の共働き夫婦の子供の面倒を見てくれた。
走り回ってサボテンが刺さったときは優しく抜いてくれた。
わがままが過ぎるときは叱ってくれた。
いじめられたときは、そっと抱いてくれた。
帰ればいつも暖かい夕食が用意してあった。
夏休みには親戚が集まり、血の繋がりがない従兄弟がたくさん出来た。
初めて失恋したときは、世代の差はあれ、親身に相談に乗ってくれた。
782 名前: 名無し物書き@推敲中? 03/11/09 10:47
甘えてばかりではいかんと、故郷を離れることを決意。
遠い学校に通い、休みにはおみやげを持ってそこへ帰った。
昔とても大きく見えたお婆さんは、いまは小さな老婆となっていた。
それでも、作る料理、聞き慣れた声、狭いけど落ち着く4畳半の部屋。
ずっと元気に生きてくれるだろうと思っていた。
突然の訃報だった。
転んだ時の骨折で入院してしまい、嘔吐物が喉に詰まりそのまま・・・
葬式では現状を理解できず、ただただ涙が止まらなかった。
最後に彼女が教えてくれた物は、愛する人を失った悲しみ。
人を愛することの大切さ。
その平屋は今も昔も同じ場所に佇んでいる。
その周りで小さい子供達が遊んでいたり、
夕食の煙がモクモクと上がっていたり、
優しい明かりが灯って見えるのは、きっと私だけだろう。
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Posted by 神谷 at 12:04
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