Walkin' Around増刊号アーカイブス

あなたの涙腺と表情筋に挑戦し続けるblog。

[05/02/21-14:18]

あの日、あの時、あのゲーム。

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659 名前:NAME OVER 投稿日:02/06/04 01:31

俺は姉ちゃんと兄弟2人、超がつくほどの貧しい家庭で育った。
父親は俺が1歳、姉ちゃんが3歳の時に女を作って出ていったらしい。
だから俺には父親との思い出が何も無い。
その時慰謝料とか養育費をふんだくってやりゃ良かったのに、
自分一人の力で俺たち兄弟を育てていくと決めた母ちゃんは
1円たりとも受け取らなかったという。

そんな母ちゃんだから国の母子家庭手当てなども受けずに
女手一本で俺たちを育ててくれた。
そのせいで俺たちは貧しい少年時代を過ごしたわけだが、
その事で不器用な母ちゃんを恨んだりすることはなかった。
むしろそんな母ちゃんが子供心にもカッコよく思えた。
だから子供の頃はおもちゃをねだったりするなんてことはなかった。

母ちゃんは俺たちのことを思って誕生日やクリスマスになると
決まってプレゼントを買ってあげようと言ったが、
高い物なんてねだれるはずがなかった。
だからいつも俺は350円くらいの「ドラゴンボール」の漫画をお願いしたんだ。
それが子供のころの俺が集めていた唯一の宝物だったんだ。


ところがある日、誕生日でも何でもないのに母ちゃんが俺たちにプレゼントをあげると言って、
俺には包装紙に包まれた大きい箱と小さい箱を一つづつくれた。
突然のことに戸惑いながらおそるおそる大きい方の箱を開けてみると
中には赤と白のカラーが鮮やかなファミコンが出てきた。
俺はその時今までにない衝撃を受けたことを今でもはっきりと覚えている。
そしてもう一つの小さな箱を開けてみると、中からファミコンのソフトが現れた。

そのゲームは「ドラゴンボールZ 強襲サイヤ人」。

泣いた。嬉しくてたまらないはずなのに俺は泣きまくった。
ありがとう母ちゃん、知ってたんだね。
俺がこのゲームを欲しくて欲しくてたまらなかったことを、
でも言えなかったことを…。

そんな俺を見て母ちゃんはこう言った。

「いつもお姉ちゃんとふたり仲良くお留守番
してくれて、家のお手伝いもちゃんとしてくれてありがとうね。」

何言ってんだよ、そんなの当たり前だろ。
母ちゃん一生懸命俺たちのために朝早くから夜遅くまで働いてくれてるんだろ。
手伝いくらいしないとバチが当るよ。
それなのに母ちゃん馬鹿だよ。
お金もないくせにこんな高いもん買ってきやがって…。


その後、俺はそのドラゴンボールのゲームをやりまくった。
あまりプレイ時間が長いとは言えないゲームだったけど、
もったいなくて何回も何回も繰り返しやった。
14インチの小さいテレビだったけど、
その中で動きまくる悟空やピッコロはカッコよかったなあ。

今じゃ姉ちゃんも俺も働いて、
こうしてインターネットも出来るくらいのちょっとした余裕は出てきたよ。
面と向かっては恥ずかしくて絶対に言えないけど母ちゃんありがとう、
女手一つで姉ちゃんと俺を大学まで出してくれて。
母ちゃんは知らんと思うけど、
まだあのゲーム、
箱つきでとってあるよ。
もちろん同じ日に姉ちゃんにくれた「マッピーキッズ」も。

長々と書いているうちに凄い長文になってしまった。
すみません。
今度は母ちゃんに
ゲームでも買ってやろうかなあ。
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Posted by 神谷 at 14:18





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