Walkin' Around増刊号アーカイブス

あなたの涙腺と表情筋に挑戦し続けるblog。

[05/07/21-02:04]

お父さんの、夢の家。

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32 名前: ('A`) 04/07/12 15:08

父親が死んで随分経つんです。
父親はまあ、母親に言わせると「ろくでもない人」で、
とある自営の仕事についていて、その仕事には随分とお金がかかり、
家には一銭も金を入れない。母親の稼ぎでうちは食べていたよう。
裕福な暮らしじゃなかったですよ。借金もあったみたい。
荒い気性で、カーッとなるとワァワァ五月蠅く手は早く、
ぼごぼご叩かれたり、縁側から蹴り落とされたりしましたねぇ。
でも、母親のおかげで食べていけてるという気持ちはあったようで、
なんかたまにヒクツなところがあったと、子供心に思い出せます。
ある日突然、心不全でなくなってしまったんですけどね。

それでね、聞いてください。ついさっきのこと。
あまり使わない箪笥のひきだしの奥、なんか紙みたいのがつっかえてるんですよ。
何だろ?と思って取り出してみると、家の設計図みたいなの。
きれいな図面で、専門家が描いたものだと思います。
母親は外に勤めに出ていた美容師で、なんとその図面には美容室がある。
わたしの部屋は庭に面していて、なんかキンモクセイって鉛筆の手書きで書いてある。
わたしは金木犀が好き。庭があったら植えたいなぁって思ってた。
いちばん笑ったのが父の仕事の作業場。すんごいデカイの!
母とお茶を飲みながら、
バカだー、借金もあるのにさ!いつ描いて貰ったんだこんなのーとか、
笑ってたんですけど、いつの間にかわたしも母も泣いていた。

喧嘩ばっかりしてたけど、お母さんのことやっぱり好きだった?
金木犀が好きなんて、わたしいつ言ったっけ?
しんどいしんどいって言ってたけど、やっぱり仕事好きだったんだ?
そういうの隠さないで、もっともっと口に出して欲しかったよ。
ああ、もうつまり……どうしてあんなに早く死んじゃったの?
わたしが大人になるまで、今こうやって、少しはあなたの気持ちをわかるまで、
この家を建てられるまで、生きていて欲しかった。

ひきだしの奥に隠してあったわたしの、お父さんの、夢の家。
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※そろそろ頑張っていかなと思います。
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Posted by 神谷 at 02:04





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