ネットにおける評価と数字に関してつらつらと
04/10/21
歯車党日記さんとこの
出版業界に対して読者は何ができるのか?が書かれたのが9/29。で、今は10/18。
三週間弱経ってて、正直今更感が漂って仕方が無いのだが、10/16に
アンケートとネットと出版の先行きがアップロードされたのと、それに対する
好き好き大好きっさんのリアクションを読んでたら、なんとなく色々書いてみたくなったので、以下それについて。
まず最初に念頭に置くべきは、石黒氏が最初の記事で述べた事でもあるが、「数値として出なければ意味が無い」という点である。
それが商売である以上、「売れている」ないしは「売れる見込みがある」という事象を裏付ける数値がなければそれは商品として成立できない。
しかし、だからと言ってインターネットの影響は無いのだろうか?
あるのならばその影響はどの程度か?
無いのならば、それを裏付ける根拠は?
これらについて考える為、以下
「ネットにおける評価、批評と数字の関係」
について述べていく事とする。
さて、自分がオタクである、という自覚がある者ならば、「自分が面白いと思っている漫画が打ち切られる」「面白いと思うのだが、連載されている雑誌がマイナー」という状況が一度はあったと思う。
そして同時に、「どこかで見たようなキャラ、ストーリーで構成された、全く面白いとは思えない二番煎じの漫画が長く続いている」という状況もあった筈だ(注1)。
これらの原因は、メジャー誌を構成する漫画を支えているのは、少数派のオタクでは無く、圧倒的多数の、所謂ライト層であるという事実に端を発している。
そもそも「ネットの影響力」とは「大量のヒット数を叩き出す大手サイトの影響力」と同意語である(注2)。
そして、そういった大手サイトがある商品に対して評価を下す時、その大手サイト管理者はその商品の所属する分野(分野:漫画・アニメ・ライトノベル等)について深く関わっている事が多い。
ここで、「深く関わる」とは即ちそのサイトの管理者が「何か」に対してヘビー層に所属していると言い換えることが出来る。
ヘビー層に於ける嗜好が、ライト層のそれとは乖離している事は言うまでも無く、故にその評価を下される「何か」が、ライト層の支持を受けていることは殆ど無い(注3)。
一般的に、ユーザーがあるサイトからリンクを経由して別のサイトへ飛んだとき、リンク先サイトにおいて目的とするコンテンツとリンク元のサイトには多くの場合、そこには深い相関が見られる。
例えば、CG系のサイトから別のCG系サイトに飛んだのならば、それは当然リンク先のCGを目的としている訳であるし、羅列型ニュースサイトから飛ぶ場合、目的はそのニュース以外には有り得ない。
羅列型ニュースのリンク柱や日記系、テキスト系サイトで羅列されているリンクから飛ぶ場合にも、当然ながらリンク元と同系統の何かを要求している筈だ(少なくともオタク系サイトから学術系に飛ばされることは想定しないし、逆もまた然り)。
即ち、ユーザ各々の取捨選択の結果として、大量のヒット数を叩き出せるレベルで「何か」について語っているサイトを定期的に閲覧するユーザには、必ずある種の傾向が出現する(はてなのおとなりアンテナ(
6におとなりアンテナの説明)などは、アンテナに採用したサイトの傾向ベースとして、それを実行していると言える(注4))。
そしてその結果、特定のサイトでのヘビー層にとっての商品に対する評価は、ヘビー層である閲覧者によって同意される。
しかし、先ほども述べたように、殆どの市場は、圧倒的多数のライト層とごく少数のヘビー層によって構成されており、ヘビー層の人々にとって、そういったサイトの評価は重大に映るが、そもそもWeb上に数多存在する内の、たった一つのサイトでの評価に同意する者の数などライト層を含む全体から見ればそれこそ塵芥であり、よってその評価は錯覚程度の効果しかない。
故に大手サイトによって何がしかの評価が下されただけでは殆ど意味が無い。
よってここから、ネットの評判が商売に於いて参考とされる数値に与える絶対数は極めて小さい、という結論が導かれる。
しかし、同時に、一人の人間が他に対し声を上げている以上、その影響は無では有り得ない。
先ほど「絶対数は極めて小さい」と述べたが、しかし市場規模が十分に小さければその影響は相対的に大きくなる。
YU-SHOW氏は例としてエロゲを挙げたが、そういった市場が小さく、なおかつそれが元々ヘビー層(オタク)向けの商品である、という限定条件下に於いて、ネットの評価は極めて重大な影響を及ぼし得る(具体例としては
こちらの3月のまとめを参照)。
そういった場合、ネットの評価は、確かにYU-SHOW氏の述べるとおり、限られたパイの食い合いでの勝利を与え得るが、それと同時に、潜在的消費者をも発掘し得る。
後者が市場全体にとってプラスである事は言うまでも無いが、前者は、消費者がヘビー層である以上、ネットにおける評価が正しく反映されたとも言える(相対的、将来的に駄作が減少する可能性の増大)。
では大規模市場に於いて、少数派によるインターネットの影響は皆無なのだろうか?
答えは限定的な否であると考える。
基本的に少数派では多数派に抗し切れない。
しかし先程、小規模市場であればインターネットの影響は相対的に大きくなる、と述べた。
これを応用し、大規模な市場に影響を与える小規模な場に少数派が働きかければ良い。
多数派の弱点は全体としての統制が取り難い事にある。
よって少数派は、一致団結し、その小規模な場を制圧する事を考えるべきで、おそらくそれが唯一の解法であろう。
そしてそれが、石黒氏の言うアナログな手段、つまりアンケートを出す事、購入する事であり、また、大手サイト自身や、その商品に関連するリンクを受けての支援提案(直接的にはアンケートへの呼びかけ、婉曲的には掲載順の後退等を敢えて口にすることによる危機感の扇動)であろう(確か武装錬金にその傾向が見られたように思う)。
実際のところ、そういった手を打ったところで、最終的に打ち切られる可能性は厳然として存在する。
しかし、当面の寿命が延びる可能性も飛躍的に増大する。
寿命が延びれば、ライト層に訴えかける技術を手に入れ、化けるかもしれない。
寿命が延び続けることで、読み手が増えていくかもしれない。
本気でそれを面白いと思うのならば、その可能性の為に手間暇かけて手を打ってやるべきだ。
それが、面白いものを見せてくれた作品に対する礼なのだと俺は思うのだ。
(注1)知欠やら劣化やら。ただ、前者に関して一時流れた女子高漫研回りが嫌悪と共にまことしやかに囁かれたが、同時にそれはアンケートというアナログな手段の有用性を示しているように思う。真実なのかどうか、という問題はあるが。
(注2)以後に述べたように、ある系統(少年マンガやらライトノベルやら)を好むであれば、その最大手は大抵ブックマークされており、それと比較して明らかに小さいサイトにおける評価はそれほど意味が無い。
(注3)本当に名作であればヘビーもライトも無いのだが、ヘビー層はそういうものについて語ろうとはしない。というかライト層の人間がそれを賞賛すると「今更気づいたのか」というようなリアクションをする事が多い気がする。
(注4)
おとなりアンテナで検索すると何故か「もしかして:おになり」と表示される謎。何故。
以下反省点。
ストーリーを完全に組まずに書き始めた為、迷走の果てに多分上のテキストと同程度のボツが。
そのせいで時間も無駄にかかったし(4日ほど。通常1-2日で書ける)。やっぱりもっと煮詰めてから書くべきであったか。反省。
上げてから言うのもアレだが、全体的になんかしっくり来ないのはどーしたもんか。
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( ・∀・)つ〃∩ ヘェーヘェーヘェー
Posted by rgy at 04:14