歌う脳髄

どうでもいい事について考える凡百blog

タイトル桜坂洋をひたすら読んだ記

04/12/31
よくわかる現代魔法
よくわかる現代魔法 ガーベージコレクター
よくわかる現代魔法 ゴーストスクリプト・フォー・ウィザーズ

サクッと読了。
世界観の分類的には所謂セカイ系の一派。
但し、セカイ系の多くが大抵状況的に手遅れであり、不可避であるのに対し、
「「どうしようもなくなる前にどうにかする」
小説であると言える。

また、セカイ系の多くの主人公たちが内向的・鬱気質であるのに対し、この小説の登場人物は常にポジティブである。
つまり、この小説は半分セカイ系に足を突っ込んでいながらも、残り半分がその対極にある、「メタ」セカイ系とでも言うべき立ち位置にある。

二巻、三巻のサブタイトルからも分かるように、この小説はコンピュータと魔法を重ね合わせた世界がベースになっている。
多くのセカイ系であれば、過剰にその世界に存在する謎を匂わせるのだが、この小説ではあくまで
「必要になるまで書かない。この世界はそういうものだから」
という姿勢を徹底させている。

結果、重要な部分の説明をあっさり流しており、幾分食い足りない印象を受けるが、それがマイナス点としてまでは認識されないのは、小説全体としての構造がそれを許している(この逆のパターンが小川一水であると考える)からであろう。
純粋な意味でも、それ以外の意味でも面白い小説。

といった御託はさて置くとして。

前述のように「どうしようもなくなる前にどうにかする」という性質上、どうしても話は地味になる。
しかし、主人公が「タライ召還」というどうしようもないスキル以外使えない事、周囲に一流の魔法使いが揃っていても、各々が完全ではありえないという二点から、小さな世界の大きくなるかもしれない事件が小さいままで小さい人々によって解決される、という箱庭的小説として成立している。
また主人公の存在が(他のセカイ系とは違い)小さいが故に、小さな成長がキッチリ見せられているという点も重要か。

「小さくキチンとまとまった小説」

といった印象。

といったまともな感想はさて置くと

一巻のあとがきは

「人を殺したいです」

で始まり、二巻半ば前で、分散コンピューティングを

「特別な一騎の白い試作機じゃなく、たくさんのモスグリーンの量産型を使って物量作戦で計算をする方法」

との説明で終わらせ、三巻の最初の一文が

一ノ瀬弓子クリスティーナはパンツをはいていない

で始まる辺り、この作者のセンスは絶妙だと思うのだがどうか。

まあ、すんごい疲れてるときに読むと元気になれそうな小説。


ALL YOU NEED IS KILL

こっち読んでからよくわかる現代魔法に手を出したのだな、実は。
近未来の日本では、変な人外相手に戦争やってて、ソルジャーであった主人公はその初戦で死亡。
しかし、次に気づいた時、その初戦の前日に戻っており、その翌日の初戦で再び死亡。
そして気づいたらまた緒戦の前日に。
さて、ではどうやってこのループを抜けようか?という話。
本当にそれだけで話が終わり、よくわかる現代魔法と同じく、小さくキッチリとまとまった小説。
なんとなく詰め将棋じみた印象を受ける。
というか、読みながら魔界村あたりの狂った難易度の覚えゲーをクリアする時にも似た印象が。
「湧き出る人外との戦争」「ループ」の二点に惹かれたら買うべきか。

追記:書き忘れ。
近接武器:パイルバンカーは打撃力十分。
しかし弾数に限りがあり、敵の数に対して絶対的に足りない。
よって弾数制限が無い武器が必要。
つまり必要なのはパイルバンカーに匹敵する打撃武器。
じゃあデカイ斧で
という流れは素晴らしいと思うのだが、どうか。
パイルバンカーは漢の浪漫だが、その上を行ってやがる。


といった感じに桜坂洋の小説全てを一気に読んだわけだが、何度も述べたように、この作者は「小さな世界を緻密にキッチリ書く」ことに長けている様に思える。
また、最近の多くのライトノベルに見られる、「必要以上に必要な情報について記述し、そのうち最重要情報については伏せる」という特徴が無い。
故に、
「緻密にキッチリ綺麗に、でもこざっぱりで前向き」な小説を書く人なんじゃないかなあ、と思う次第。
ああ、あと、「よくわかる現代魔法」だけ買ってこの作者を評価するのは避けた方が良いかと。デビュー作だし。
買うなら現代魔法三冊買って評価すべき。


ところで、昨日親の知り合いから頼まれて、突然ネットに繋がらなくなったノートPCを直しておったのだな。
で、直ったのはいいのだが、その原因がウイルスで、しかも感染源がおそらく洋物エロサイトで、そのPCがその家の家族兼用だった場合、なんと言って注意すべきなんだろうか?
延々考えてる今日この頃。

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( ・∀・)つ〃∩ ヘェーヘェーヘェー
Posted by rgy at 00:38