インターネットにおける情報伝達とコミュニティの関係に関する一考察
05/05/01
さて,エントリ「Webサイトの基本概念」においてWebサイトは複数のコンテンツの集合にラベル付けしたものであり,実体が存在しないと述べたが,これは裏を返せば実体のないサイトという概念にコンテンツがぶら下がっているとも言える.
それを図として表したのが下図(図1と呼称)である.また以降の図ではサイトを含む実体のないものを楕円や円で,Webページを含む実体のあるコンテンツを長方形等で表す(そもそも情報に実体があるのか,という議論はとりあえずここでは脇に置く).

次にコミュニケーション場としてのインターネットは,当然ながら他者と繋がることでしか成立できない.
インターネットにおいて,目に見える他者とのつながりはWebサイト同士のリンクで表される.
当然ながら非サイト持ちとサイト持ちの間でも繋がりは存在するが,その概念を導入すると複雑になりすぎる為,ここではサイト持ち同士の繋がりに限定することでそれを単純化する.
そしてサイト同士の繋がりを図で示した者が下図(図2と呼称)である.
但しこの繋がりには相互リンクのような双方に同意があるものだけではなく,言及等の一方的なものを含み,また中央の大きなサイトは話題の中心となりやすい,いわゆるアルファブロガーと呼ばれるような大手サイトである.

しかし,例えば通常トップのリンク柱やリンク用のページでWebページ同士は連結され,同様にblogのトラックバックはエントリ単位でサイト同士を連結する.
これに限らずコンテンツ(Webページ)単位でサイトがリンクで繋がれる(それが一方通行であることも多いが)という事を考え合わせて図1と図2を合成したのが下図(図3と呼称)である.

このWebページ同士を結ぶという概念は情報に価値があることをベースとしており,人と人が繋がることを基礎とするコミュニケーション場とは,情報の繋がりと人の繋がりという意味で,この二つは違うものであるが,ページ間の繋がりとは有用な情報に対する議論であり,同時にその先にコミュニケーション場としてのインターネットが存在する(有用な情報がなければ有用な人間を判別できない),即ち情報場としてのインターネットとコミュニケーション場としてのインターネットのちょうど中間に属するものだと考えるのが妥当であろう.
この事と図から,コミュニケーション場と情報集約場の中間,WebサイトやWebページとしての繋がりは,平面上に,網のように存在していると言って良かろう.
では,子・孫ニュースサイトはどこに存在するのだろうか?
上でも述べたが,エントリ「Webサイトの基本概念」において,コンテンツの集合体がWebサイトである.
しかし孫・子ニュースサイトにコンテンツは存在するのだろうか?
その答えは,「存在する.但しその存在は極めて希薄である」というものとなる.
孫・子ニュースサイトのメインコンテンツは他者へのリンクをベースに成立していることは言うまでもない..
そして図3のWebサイト・ページ間の繋がりを示したが,これを孫・子ニュースサイトに適用しようとすると,非常に奇妙なことになる.
トップページを例にとれば分かるように,常に大量のリンクが生成され,また消費されてゆくため常にそのコンテンツ内容は変化し続け,形として残るものは過去ログのみ.しかしそもそもそのコンテンツ内容も過去ログも,ほとんど全てが他へのリンク,つまり他者への依存で成立しているため,
「孫・子ニュースサイトは固有のコンテンツを持たない」
という結果を導出する.
これを孫ニュースサイトのみを残したものが以下の図(図4と呼称)である.

図としては,実体のないサイトという概念のみが存在し,それ以外の種類のサイトではコンテンツと見なされるものをコンテンツとして扱わざるを得ないため,このような奇妙な図となる.
そしてまた,実体が無い故に,例えばあるニュースサイトの管理者が致命的なミスを犯して多くのサイトからリンクを張ることすら拒否されたならば(.htaccessでほとんどのサイトから蹴られたり,単純にネガティブアクションで悪評が広まる等),そのサイトは存在できない.
それ以外の種類のサイトが,どれほど多くのサイトに無視されようともチラシの裏的に存在できるのに対して,固有のコンテンツを他者に依存しているが故に,他者からの拒絶がそれ以外の種類のサイトとは比べものにならない致命傷となる事も理解しておくべきであろう.
更に固有のコンテンツを持たないが故に,孫・子ニュースサイトはその中にコミュニケーション場としての意味をほとんど持たない.リンクすることは重要であってもリンクされることは重要ではなく,「相互」という概念が抜け落ちている.
それはつまり,それ以外のWebサイトが情報集約場とコミュニケーション場の中間であるのに対して,子・孫ニュースサイトは情報集約場としてのインターネットに特化していると言えよう.
以前ネタが子・孫ニュースサイトを経由して閲覧者に至るまでの図を描いたが,そこから閲覧者の部分を削ったものを以下に示す(図5と呼称)

子・孫ニュースサイトは固有のコンテンツを持たない.故に,コミュニケーション場としての機能をほとんど持つことが出来ない.
それ以外のWebサイトが情報集約場とコミュニケーション場の中間に存在するのに対して,子・孫ニュースサイトは完全に情報集約場寄り,それも検索エンジンに代表される,ツール的なアプローチ,端的に言うならば情報伝達システムの一部と見なすのが,おそらく正しい.
図4に図5を適用しようとすると,当然ながら非常に歪な図にならざるを得ない.
ざっと考えただけでも図4の孫ニュースの内部に子ニュースを持ち,さらにそうでありながら子ニュースも外部のコンテンツにリンクするという矛盾したものとなる.
まあ,相互補完関係を示した概念に,無理矢理一方通行の伝達システムをねじ込めば,それが歪になるのはむしろ当然であろう.
故に,図4を図3の平面図に対するz軸,つまりこれらを三次元空間として示すこととしよう.
相互補完関係にある複数の個人Webサイトを水平方向に,それらを概観し,情報を集約し,閲覧者に分配する効率化された情報伝達システムとしての羅列型ニュースサイトを鉛直方向に置く.
つまり,コミュニケーション場と情報集約場の中間によって形成される,網の目状のコミュニティ平面をベースとして,それを俯瞰する情報伝達特化システムが存在していると考えられる.
これが,現状の日本における個人Webサイト間の繋がりの模式図であると考える.

以上これまで.
以下雑記.
結局この図が書きたかった,というだけの話.
余談ではあるが
他者にコンテンツを依存するのが孫・子ニュースサイトの基本立ち位置で,そこから形成されるシステムをコミュニティと言えない事もないんだが,それと一般で言うコミュニティとの最大の違いは,多分ネタ元が半自動的にシステムに組み込まれる,受動的な,ネタ元管理者の意向と関係なく形作られる事なのであろうな.
リンクフリーが基本概念だからといって,それを大義名分に人の庭を踏み荒らすのは許容されるべきなのかどうなのか.
・・・暇があったら書くか.
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Posted by rgy at 22:45