今更リンクフリーについて考えてみる
05/05/03
リンクフリーという言葉がある.
意味は単純で,
「ご自由にリンクをお張りください」
という,ただそれだけだ.
おそらくはサイトにリンクを張る時に,特に大手サイトは一々報告されるとその量が膨大となり,応対(相互リンクお願いしますといったメール等)が面倒だという理由で造られた言葉だろう.
そして,それをWebの概念を考え出したTim Berners-Leeの
There is no reason to have to ask before making a link to another site
という言葉が補強し,著作権的にもリンクは合法である,との考え方が一般的である.
けれども
それは「リンクを張る側」の論理であって,「リンクを張られる側」の論理の一切が無視されているのではなかろうか.
「リンクを張る」という行為は,常にリンクを張る側のみで成立する.
故に,「リンクを張られる側」は常に張られた後にしか,リンクを張られたことが認識できないし,またそのリンクを拒否できない.
最も分かりやすい例を挙げるならば,謂われのない中傷のコメントと共にリンクを張られても,張られた側はそれを甘んじて受けるほか無い.
またそれが中傷ならば抗議という行為も許容されるであろうが,例えば「☆ミ」やら「にょ」やらといった語尾をつけるようなサイト群の中に自分のサイトが混ざっており,しかもサイトが明らかにそれらを馬鹿にしている「におい」をさせていた場合はどうだろうか?
相手が,抗議したとしても「気のせい」で返すような管理者であれば,それを甘んじて受けざるを得ない.
そして,リンクフリーを当然のごとく受け止めている人々は,果たしてこれらを許容できるのだろうか?
おそらく,その大多数は否だろう.
それは日記での愚痴だったり,もっと直接的な言及だったり,果ては直接的な抗議であったりといった方法で,それらを排除する方向に進む筈だ.
つまりは常に受け手が受動的なのだ.
送り手が常に能動的に行動し,受け手は常に受動的にそれを受け入れる.
これは酷く普通の事だ.
だが,受け手が,常に,相手の行為がどんなものであれ,それを受け入れることを強制されるのは,果たして普通のことなのだろうか?
「ウチからこういうリンクを張った.ネガティブだが気にするな.
Webの設計者も著作権も俺の行為を肯定してるから,お前に反論の余地はない」
この論理を,果たして受け入れていいのだろうか?
「一々全てのリンクについて相手の許諾を受けろ」などという阿呆な台詞を口走るつもりはない.だが,どこかで線引きをしなければならないとも思うのだ.
送り手は能動的な行為の対象である受け手側に,なにがしかの同意を得る機構は必要なのではないだろうか.
インターネットはその範囲をただひたすらに拡大させ,当初のような全ての人間が実名でモノを語る,というだけの単純な機構では既にない.
普及と共に完全にコミュニケーションツールとしてそれを認識するものや,中途半端とはいえ匿名性が存在することを利用して,表に出しにくいが,わざわざ訴訟にまで持って行くほどのものではないような内部情報をタレコむ,つまりインターネットをある種のメディアとして認識し,利用するものも出てきた.
そして,前述したように,ただ悪意をまき散らす為の道具として扱う者も現れた.
自由という概念は,悪意の自由をも認めざるを得ず,故に悪意に対して常に無力である.
そして,ここまで全てが多様化した以上,その多様化した各々について,どこかでその自由を管理,線引きされねばならないの出はないかと,そう思うのだが,如何なものか.
といったような事を前エントリの最後の図を書きながら思ったわけだ.
アレは,コミュニティ・コミュニケーション平面という基本的に双方同意の上で成立する地平に対し,情報伝達・伝播という「システム」というz軸は,出力された情報(コンテンツ)から書き手等の属性全てを無視し,その情報単体以外の何ものにも目を向けることなく,下手をすればコメントを書かない事で,その情報に対して見いだした価値すら残さず,一方的にリンクを張る事で成立するが故に.
そして,そこから流れてくるのが単なるアクセス数だけであるが為に.
一方的にリンクを張られて嵐のように閲覧者が現れ,何も書かずに去っていって,さて,リンクを張られた,というよりは晒された側に果たして何か得るものはあるのだろうか,むしろ一瞬の嵐の為に基準を失い,後に虚脱感を呼び起こすだけなのではないか,と,そんな事を経験者は考えてみるわけだ.
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Posted by rgy at 14:23