歌う脳髄

どうでもいい事について考える凡百blog

タイトル前エントリの補足,またはリアクション期待値の指標に関する考察

05/09/11
前エントリは「へぇ数/アクセス数」を指標として,エントリを取り上げたサイトの種別と,そこから期待されるリアクションの比率を示す事で,閲覧者の数に対して,管理者が期待できるリアクションの発生率が,孫ニュースサイトでは比較的低い事を示した.

しかし,この結果を述べる上での根幹を成す,「なぜ指標がへぇ数/アクセス数なのか」「なぜリアクションの期待値を示す必要があったのか」という辺りについて全く書いていなかったことに気づいたので,その辺を書いてみようと思う.

また,以下の文章では「リアクション」の定義を「管理者が閲覧者の,閲覧以外の行動から得る影響」としている


まず,「なぜリアクションの期待値なのか」について述べよう.
少し前,「沈黙のオーディエンス」というものについて複数のサイトで議論がされていた.
その際「結局は書き手の問題だ」というような意見が幾つか見受けられた.
それが間違っているとは思わない.思わないのだが,果たして原因はそれだけなのだろうか.
オーディエンスが沈黙しない条件は,ネタ.サイト自体が所属する界隈と,そこ特有の文化のようなものに依存しているのではないか,はっきり言ってしまえば,オタク向け孫ニュースサイトからのアクセスは,ただ右から左へ人が流れているだけではないのか.
もしもそうであるならば,今手元にある3つのケースを用いることでそれが証明できるのではないか.
そう考えて,前エントリを書いた次第である.

つまり,導きたかった結論は
「孫ニュースサイトからのアクセスではリアクションが期待できない」
というものである.
これを前提として頭に叩き込んでおくことで,沈黙のオーディエンスという無言の圧力に潰されるサイトが減れば幸いだ,という期待を込めて,前エントリを書いたわけだ.



さて,次に「なぜ指標がへぇ数/アクセス数なのか」という点について述べよう.

そもそも,閲覧者によるリアクションの期待値の指標として用いるのが可能と考えられるのは

被リンク数

アクセス数

コメント数

へぇ数

といったところである.
以下,これらをリアクションの指標として用いる場合の問題点について述べていきたいと思う.

被リンク数とアクセス数はほぼ同一のものとして扱える(サイトに人が付く以上,サイトに紹介される=人が流れ込むという等式が成立する)ので,まずはこれについて考えてみよう.

おそらく,これが単独の指標としては最も正解に近い.
実際,「せかいのまんなか」から続く,被リンク数を指標とするリンクサイトも存在するし,ソーシャルブックマークは,それらをサイトを持っていない個人に拡張したモノであると言えよう.

しかし,これは日本のインターネット特有の,一つの構造的な問題を抱えている.
それが孫ニュースサイト,特に大手の羅列型ニュースサイトである.
キチガイサイト増加の理由に関する一考察で示したように,孫ニュースサイトは複数の子ニュースサイトからネタを引用し,集約することで成立する側面が大きい.
そして,情報を集約することで成立する孫ニュースサイトは,その情報量の多さから,多くの閲覧者を惹きつける.

更に,その多数の閲覧者の中には当然引用される側の子ニュースサイトの管理者も存在しており,これによって,孫ニュースサイトのネタが子ニュースサイトによって引用される(孫と子の逆転現象.これについては孫ニュースサイトの定義(改)を参照のこと)という状況がしばしば起きる.

すなわち

1.親であるネタがアップロードされる
2.子ニュースサイトによってネタが取り上げられる
3.子ニュースサイト経由で孫ニュースサイトによってネタが取り上げられる
4.孫ニュースサイト経由で「多数の」子ニュースサイトのよって取り上げられる

という流れが起こりうる.
しかし,この流れは途中で途切れやすく,特に3の部分が起きるか否かによって,被リンク数が大きく変動するという問題点を孕む.
つまり,被リンク数は大手孫ニュースサイトが取り上げるか否かに「依存」していると言わざるを得ないのである.
故に,被リンク数を絶対的な指標とするのは難しい.
もしも絶対的な指標とするならば,ニュースサイトの影響を排除する必要があるが,そうすると今度は用いるべき指標自体が非常に少なくなり,全体が均一化され,順位の付け方が難しくなるという問題がある.

この「依存」が何故問題か,という部分についてもう少し細かい話をしよう.
先程,被リンク数が孫ニュースサイトに依存する,と述べたが,孫ニュースサイトにネタが取り上げられるか否か,流れで言えば3にあたる部分が起きるか否かはネタの種類に依存する.
つまり,孫ニュースサイト管理者に取り上げられやすいネタ,大多数の閲覧者の嗜好に合わせたネタさえ書けば,被リンク数,アクセス数が稼げることになる.

つまり

萌え・エロ,アニメ,マンガ,ゲーム,ライトノベル,嫌韓,嫌中,嫌左,更にそれらのアンチ

これらについて書けば(当然それなりの完成度,もしくは特異な見地は必要だが),孫ニュースサイトに取り上げられる可能性は飛躍的に増大する.
つまり

「孫ニュースサイトに取り上げられるかどうかはネタの種類に依存する部分が非常に大きい」

という問題が存在し,ひいては

「被リンク数とそれに伴うアクセス数はネタの「種類」に依存する部分が非常に大きい」

という結論を導かざるを得ない.

ネタの方向性がサイト単位で常に統一されているならば,それを取り上げるニュースサイトも必然的に限定される為,その場合に限りアクセス数や被リンク数を指標として用いることは可能である.

しかし,そうでない,管理者のその時の気分で扱うネタの種類にぶれが存在する場合(例えばウチのような),被リンク数,アクセス数に大きな振れ幅が生じる可能性が高い,という事であり,これをリアクション期待値の指標として用いるのは難しい.

そしてまた,孫ニュースサイトの管理者が一個人であるため,その管理者の一時の感情に依存する事から,「たまたま取り上げる」という行為によって指標としての揺らぎが生じる可能性(偶発的要因に依存する可能性)も否定できない.

続いてコメント数について.
これを指標として用いるのが不適格であることを示すのは容易い.
炎上している時,コメント数は爆発的に増大するが,その中には大量の重複やただの煽りといったものが含まれ,更には本題と関係のないものまでもが含まれてしまうからだ.
この辺りの炎上時のコメントの質については(厳密には炎上ではないが)コメント欄という混沌において(人様のblogのコメント欄を勝手に)概観しているのでそちらを参照のこと.この辺はもうちょっとキチンと分析すべきだとは思うのだが.


最後にへぇ数について
へぇ数もまた,単体で見た場合には指標として用いるには不適格であると言わざるを得ない.
へぇ数もまた,被リンク数と同様にアクセス数に依存するからだ.
いくらへぇボタンを押す,という行為が,コメント欄や掲示板に感想や批評を書くのに比べて敷居が低いと言っても,100人が100人へぇボタンを押してくれる事など有り得ない.
それはそのテキストの完成度がどれほど高かろうとも成立する,厳然たる事実である.
よって,アクセス数に依存する,つまり孫ニュースサイトに取り上げられるか否かに依存するへぇ数単体をリアクション期待値の指標とすることはできない.

しかし,ならば何もかもが指標として扱えないのか,といえばそうではない.
確かにへぇ数はアクセス数に依存する.しかし問題となるのは,へぇ数を単体,すなわち「絶対値」として扱うと,そのへぇ数がアクセス数に依存する部分が大きすぎ,それ以外の影響が圧殺されるという点である.

これは裏を返せばアクセス数に依存する部分を排除しさえすればいい,という事である.
つまり,へぇ数をアクセス数で除してやればそれで問題は解決する.
この処理を行った結果,へぇ数/アクセス数に差が出たならば,へぇ数はアクセス数以外の要因によっても依存していることが明らかになる(どの要因にも依存しないならば変化は現れない).
そして,前エントリで明らかとなったように,エントリごとにへぇ数/アクセス数には差が現れ,その差について考察を行ったわけである.


ちなみに,この流れから
「ならばへぇ数以外についてもアクセス数で除してやれば同じ結果が導かれるのではないか」
との疑問を抱く閲覧者も居ると思うので,これについても少し触れておく.

上でへぇ数以外について延々書き続けているのはこの疑問に対する解答である.
即ち,アクセス数で除される数値があまりに少ない場合,少数の変動の影響が相対的に増大する.
つまり偶発的な要素があまりに大きい為,評価指標として不適格にならざるを得ないのである.
これに対してへぇ数は少なくとも200以上あり,少々の偶発的要素では揺らがない,という利点がある.
へぇ数を利用したのはこの為である.


前エントリでこの根底の部分について全く触れず,表面に現れた結果のみについて述べた為,幾らか誤解を招いたようなので,蛇足ながら今一度,その根底の部分についての説明を試みた次第である.
また,これによってリアクションの期待値をはかる指標としてへぇ数/アクセス数を用いた比較が可能になると考える.


以上.
心底どうでもいい事を書いている割に,えらく難産だった・・・





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Posted by rgy at 01:44