歌う脳髄

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タイトルブログ炎上過程に対するイノベーター理論の適用

06/06/17
さまざまなWebページを閲覧していると,時折炎上しているブログ,というものを目にことがある.
しかし,「炎上」と一口に言っても,あるエントリに数百のコメントが付き,さらにそれ以降のエントリにも延々とコメントが付く場合もあれば,まとめサイトなどでは散々煽られているにも関わらず,炎上というには程遠い,ごく一部の者が騒いでいるだけ,といった場合もある.また一見炎上しそうに思えたため,しばらく観察していたにもかかわらず,結局万人が見て炎上している,と断言できるところまで行くことなく,中途半端なままに終わることも多々ある.
これらの違いとは何だろうか?
エントリ内容の違い,というのももちろんあるだろう.
しかし,大したことの無い内容であっても閉鎖に追い込まれている事例が多々ある現状を見るに,かならずしも内容だけで激しく炎上するか否かが決定されるわけではないように思える.

このような,万人が見て炎上していると言える場合と,そうでない場合がなぜ分かれるのか,という点について,本エントリではイノベータ理論を用いて説明を試みる.
具体的には,イノベータ理論では商品販売量過程となっていたものを,ブログ(サイト)の炎上過程とみなす.

また,以下の説明ではイノベータ理論について既知であることを前提とする.


イノベーター層

行動:間接的嫌悪の表明
同好の士だけで対象の批判,嘲笑を行う層.
または,2ちゃんねるネットウォッチ板トップに書かれている
「ウォッチ先
 さわらず荒らさず
 まったりと 」
を忠実に守る層

この層は,観察対象のブログ管理者自身や,彼らの書くエントリに対して嫌悪感や嘲笑をあらわにするが,観察対象に対して能動的にそれを伝えることはない(そのブログのコメント欄等を介してそれを伝えることはない).
この姿勢は,相互理解を放棄と言えるが,同時にそれは棲み分けがなされていることを示している.
少なくとも表面上では彼ら(観察者と観察対象のブログ管理者)の接触が起こらないため,論争やコメント欄が荒れる等が起きることもなく,この状態においては平和(冷戦とも言える)が保たれる.
このような表面上の平和が実現されるのは以下のように互いの利益が合致するためである
・管理者にとってはコメント欄が平静であるに越したことは無い.直接やりあうと相手側からのコメントによってコメント欄が荒れ,さらなる被害を呼び起こす可能性がある.
・観察者にとっては相手のエントリをネタに暇つぶしができる.珍獣観察的な行為の継続が許され続ける.

この層の増加は,観察対象のサイトが,大多数の人間の思考と乖離したエントリを書く,といった,悪い意味で注目を浴びること実現される.
そして,この層が十分に増加にしたとき,いわゆる「突撃厨」と呼ばれる,観察対象のブログのコメント欄に書き込むことで,直接的に嫌悪を表明する層が現れる.
これがアーリーアダプター層に相当する層である.

また,エントリの内容があまりにも大多数の感覚とかけ離れている場合,しばしばこの層が存在せず,次の段階であるアーリーアダプター層以降のみが存在する場合もある.


アーリーアダプター層

行動:直接的嫌悪の表明,扇動,そのための情報収集
イノベーター層とは違い,炎上させることを目的として動く層.
炎上において必要なのは,炎上させたい側にとって都合の良い情報(一方的に叩くための材料)が収集されていることと,それを対象のブログにそれほど興味が無い,まだ対象のブログを知らない者へ周知することである.ゆえに厳密にはこの層は,その行動によって「情報収集層」と「周知・扇動層」に大別できる.
また,行動によって分類するため,当然ながらこの両方を実行する者が存在する.

情報収集層は,過去ログを漁り,そこから得た情報を検索によって更に推し進めることで相手の個人情報を掘り出す,という行為を繰り返し,叩くためのより多くの材料を集めようとする.
そしてそれらの情報を「まとめサイト」という形で(印象操作を含みつつ)読みやすく外部に提供する.
周知層は,情報収集層が与えるまとめサイトや,炎上対象のサイトへのリンクを張り,対象のサイトがどれほど悪いのかを紹介(周知)する,これを担うのは,この揉め事が起きたジャンルについて詳しい羅列型ニュースサイトや,揉め事に鼻が利く日記的なブログである.また,2ちゃんねる発の炎上の場合に起きる,いわゆる本スレのある板とは別の板にスレッドを立てる者もこれに相当する.

これらの層の特徴は,対象となるサイトに直接介入しようとすることであり,この点において直接介入をほとんど行おうとしなかったイノベータ層とは対極にある.
この層が要求するのは「謝罪」または「閉鎖」であり,その点において妥協が一切ない.そして,要求を完全に押し通すために,相手の個人情報等を用いた脅迫じみた(時には脅迫そのものの)行為を行う(勤務先への電話等).また,逆に言えば,情報収集はこちらの要求を押し通すための手札を作るために行われていると言える.
また妥協点を持たないため,議論を行う必要がなく,よって彼らが書き込む内容は,常に原則論的な,反論のしようが無いものであることが多い.
彼らにとって重要なのは,対象のブログが炎上し,閉鎖・謝罪にいたることであるので,叩く材料が存在することが重要なので彼らは集めた情報の検証をほとんど行おうとしない.

このような周知層の行動によって,アーリーアダプター層の末尾にあたる「荒れ・揉め事に鼻が利く層」がやってくる.この層はまとめサイトを紹介する個人ニュースサイトに加え,まとめサイトにリンクを張り,ネガティブな感想を書く日記的なブログも含む.
そして,これがいわゆる大手孫ニュースサイトや,対照となるサイトが所属する分野についての情報をほとんど扱わないサイトが扱う(例えば他人の描いた絵を自分が描いたものだと偽って公開している,というような事を,サイト論を多く扱っているサイトが紹介する等)ことによって,「それまで興味の無かった人間を巻き込む」ことで,アーリーマジョリティ層に移行し,炎上が始まることになる.


アーリーマジョリティ層

主たる構成要素:直接的嫌悪の表明,被扇動
アーリーマジョリティ層が炎上を実現するのは,前二層に比べてその人数が圧倒的だからである.
大手ニュースサイトに紹介されたならば,それだけでおよそ5000程度の人間は流入する.そのうち1%をコメントを書き込むように仕向けられたならば,それだけでコメントは50に達し,普通のブログであれば,その時点で一人の人間の処理能力を超えるものとなる.さらに,彼らはまとめサイトを通じて,非難すべき点を与えられているために,そのコメントの大半はアーリーアダプターと同様に高圧的,かつ原則論的である.
また彼らの特徴として,そのほとんどがまとめサイトの内容を鵜呑みにして,相手を絶対悪だと見なし,まとめサイトの内容真偽について疑念を抱くことがない.よって彼らはアーリーアダプター層に扇動されるがままであり,その意味において,炎上というアーリーアダプタ層の目的は,彼らによって実現されるものであるといえる.
またこのようにしてアーリーアダプタ層に扇動される者たちは,書き込んだ時点で満足し,その後について関心を持たない.ゆえに,その後,まとめサイトに誤りがあったとしても,その情報を得ることが無いため,虚偽が彼らの中では真実として認識され続けることになる.
しかし,この層の中には,扇動されるだけの人間だけではなく,議論を行おうとする者も,少数ながら存在する.しかし,彼らの書き込みはそれ以外の扇動された者たちの謝罪や閉鎖を要求する大多数層によって圧殺され,届かないことが多い.
また,この層は扇動されて動くが故に,後々までのフォローを行おうとせず,虚偽の事柄を虚偽であると知らないままであることがままある.


レイトマジョリティ層

主たる構成要素:建設的議論,真偽の検証
遅れてくる人々.この層になると,既に炎上はおさまり始めており,同時にアーリーマジョリティ層に比べて,議論を行おうとする人間が増え,それまでではほとんど無視されていた,叩くべき根拠の真偽の確認が積極的に行われはじめ,炎上の終焉が近づく.
ただしここに来る前に管理者が耐えられず,閉鎖や謝罪を行っている場合も多く,さらに,叩くための根拠の周知がアーリーアダプター層によって行われたのに対して,このような真偽の検証はほとんど周知されることが無いため,それまでに来ていた人々,特に炎上の本命であったアーリーマジョリティ層には,そのような叩くべき根拠が偽であったとしてもそれが伝わることが無く,これらの行為はほとんど意味をなさないことが多い.


ラガード層

最後にやってくる人々.
おおよそ全ての情報を得ており,全ての真偽を知るが,この層が現れる頃には,完全に炎上は収束しており,時期を逃したこの層は,コメントも何も書かずに消えていく.


以上のようにして,イノベーター理論を用いて炎上過程を説明することを試みた.
おそらく,炎上する過程において,扇動する側と扇動される側には明確に違いがあり,それは能動的に情報を獲得して叩こうとする者と,受動的に情報を与えられて叩く者ではないかと考える次第である.
しかし,どちらにも共通するのは「叩くことが第一」という事であり,後から考えれば明らかにおかしい,と思える事柄が受け入れられているのは,この事が原因ではないかと考える.
以上.
余談は分家にて.




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Posted by 名無しさん at 02:44