GPO白プレイ日記(3):ドキドキの告白★
06/03/28-23:31
青森県、師走。佐藤尚也が陳情した、光輝号砲戦仕様は、まだ初陣を飾っていなかった。
「待機休暇ですか」
たれかが、言った。
「そうだ」
佐藤がこたえた。異議をとなえるものはいない。たれもが、できることなら、戦闘などしたくはないのだ。
佐藤は、長い黒髪を二つ括りにした少女を見て、
「真央」
と、下の名前で呼んだ。鈴木ファンタジアが、ふりむく。うれしそうにわらっていた。
さて、その真央である。ここのところ、毎朝のように、佐藤を迎えに来るかの女であったが、その日、12月21日は、朝から様子がちがっていた。
一時限目の授業がおわると、すぐに、鈴木は佐藤の手をとって、屋上までつれていった。
(なにごとだ──)
鈴木のただならぬ様子に、佐藤はすこし警戒をおぼえた。だが、あわい期待もまた、すてきれぬ。かの女が自分を好いているのは、たれの目にも明らかであったからだ。
屋上に、ついた。雪が積もっている。
しんしんと雪のふる中、鈴木がついに口をひらいた。
このとき、かの女がなんと言ったか、佐藤はよくおぼえていない。ただ
「あなたのそばにいたい」
と言われ、
「おれもだ」
と答えた、その事実だけが、かれにとっての大事なのであった。
こうなっては、もはやたまらぬ。はにかんだ鈴木が、たまらなくいとおしかった。たれもおらぬ屋上で、
「この唇を」
と佐藤は、鈴木のあごに手をあてて、そっと顔を上げさせた。
「吸いますよ」
(馬鹿だなあ)
と、鈴木はおもうのだ。
わざわざことわる馬鹿がどこにいるだろう。
佐藤は、鈴木の唇がひどくあまいことを知った。
「なにを口に入れているのだ」
「いいえなにも」
「すると、真央の唇はじねんにあまいのか」
佐藤は、むきになって訊いた。十三歳の少年の声であった。
翌日の防衛戦は、大勝でおわった。筆者にも覚えはあるが、告白された直後と言うのは、たれでも浮かれるものである。佐藤は、これがいい方にはたらくたちであった。キメラを四体、スケルトンを八体。なれぬ人型戦車で、倒してのけた。
(この青森を、守ろう)
真央のすむ青森を、とは、いうまでもないことだった。
Posted by 加納