by (゜皿 ゜;)(ウタダヲタ)[05/02/10-12:09]
(2/10)日銀、金融調節見直し論浮上
金融調節に新方式を導入する案が日銀内で浮上してきた。金融機関の資金需要が低迷し、量的緩和策の誘導目標である当座預金残高の維持が難しくなったためだ。新方式は残高目標に柔軟性を持たせるのが狙い。一方、審議委員からは、一時的な当座預金残高の下振れを容認する発言も出始めた。大量の資金供給を続ける必要があるのかという意見もあり、日銀内で議論が活発になっている。(nikkei.net)
当面の金融市場調節に関して、多くの委員は、金融システムに対する不安感の一段の後退などから、市場の資金余剰感が強くなっているが、このところは資金余剰期に入っており、オペレーションによる資金供給必要額が減っているため、短期資金供給オペの運営上の工夫によって、当座預金残高目標を達成していくことは可能であるとの見方を示した。複数の委員は、当座預金残高目標の引き下げは引き締めと捉えられる可能性があり、景気が微妙な情勢である現状は、残高目標をしっかりと達成していくことが大切であると述べた。この間、一人の委員は、ペイオフ解禁を契機として金融市場の流動性不安が後退していく中では、デフレが継続するもとで、量的緩和政策における潤沢な資金供給と結果としてのゼロ金利の維持という枠組みは堅持しつつ、タイミングを十分に見極めながら、市場の資金の余剰度合いに応じて徐々に当座預金残高目標値を減額していくことも考えられるのではないかとした。もう一人の委員は、こうした考え方に基本的に賛成であるとしたうえで、実際に目標値を見直していく際には、その時点の景気動向なども無視できないと述べた。
函館市における金融経済懇談会での須田美矢子審議委員挨拶要旨の抜粋
現在、私どもは「量的緩和政策」という金融政策を採っております。そしてこの政策を採用した2001年3月の時点で、この政策を「消費者物価指数(全国、除く生鮮食品)の前年比上昇率が安定的にゼロ%以上となるまで継続する」と約束しました。
最近における札割れの発生は、金融機関が最早従来ほどには流動性を必要としないというサインを送っていることを意味しているのではないでしょうか。その意味では、最近の札割れの発生は、それ自体としては望ましい方向への変化です。そうした基本認識をもったうえで、従来と同様の大量の流動性を供給することが適当か、また可能かというのが現在問われている問題です。
残高目標達成がむずかしいのであれば、「長期国債の買い入れを増額すれば良いのではないか」、という声も聞こえてきそうです。もっとも、金融機関側がオペの取捨選択をしているといわれるような現状では、長期国債買い入れオペ以外のオペの入り具合が悪化することが考えられ、根本的な解決策にはならないのではないかと思います。さらに、中央銀行のバランスシート上、流動性負債(日本銀行券、日銀当座預金残高)に比べ、長期の資産を持ちすぎると、流動性を吸収する正常化の過程で、長期の資産を売却せねばならず、市場への影響等を勘案すれば調整を難しくする可能性があると考えています。
このようなオペ環境に対して、量的緩和政策の枠組みのもとで当座預金残高の引き下げを行えば良いとの考え方もあります。ただ、当座預金残高の引き下げといっても、大きく二つの考え方があると思います。一つは、これまでの当座預金残高目標の引き上げに際しては、金融システム不安に伴う資金需要増も一つの理由であったことから、ペイオフ完全解禁後、資金需要の減少に対して、当座預金残高目標の引き下げで対応してもよいのではないかといった考え方です。もう一つは、現在の当座預金残高目標の維持を図りつつも、オペによる資金供給が難しくなった時に、一時的に当座預金残高が目標を下回ることを認めるという考え方です。
一つ目の考え方については、当座預金残高目標の引き下げは、潤沢な資金供給を限界的に減らす技術的なものであることを理解してもらう必要があります。実際、国内の短期市場の関係者からは「多少当座預金残高目標が引き下げられても、なお所要準備比じゃぶじゃぶの資金供給は継続されるため、過剰反応を起こすようなことは考え難い」との声が聞こえてきます。ただ、これまで当座預金残高目標の引き上げについて、金融市場の安定確保とそれを通じた景気回復を支援する効果を念頭においた「金融緩和である」という説明を行ってきたこともあり、目標の減額の可否については、減額に対する内外市場や国民の受け止め方と市場機能の改善の程度を比較考量する必要があります。
一方、二つ目の考え方ですが、当座預金残高目標を維持した上での、まさに技術的な対応です。最近の資金需給動向をみますと、金融機関の当座預金ニーズが減退している中で、国債発行の増加や税収の増加といった政府の要因で日々の振れが過去に比べて大きくなっています(図表20)。資金余剰感が増大しているもとでのこうした状況を勘案して、オペによる資金供給が難しくなった時に、資金需給の振れに伴う一時的な目標レンジ割れを認めるという対応です。これまでやってきたオペの工夫にも限界がありますので、オペ・ニーズの減退が持続するようであれば、少なくともこのような技術的な対応が必要になるかもしれません。
もちろん言うまでもありませんが、必要条件が満たされ、景気の回復に自信が持てるまでは量的緩和政策を粘り強く続けたいと思っています。
当座預金残高目標の引き下げについて予言的なことは何も申し上げられない。これはその都度政策委員会が決めていくことである。
CPIでみて前年比変化率が安定的にゼロ%以上になるまでの間に、副作用がメリットを上回るほど大きくなるとは想定していない。今もそういうことは予見していないということである。従って、デメリットが大きくなったから量的緩和に大きな修正を加えなければならないというようなことは予見していないということである。
我慢強く量的緩和政策を続けているが、量的緩和政策が、企業のリストラ、金融機関の不良債権処理といった民間部門の構造改革をしっかり後押ししてきたことは非常に明確だと思っている。こういう政策を我慢強く続けていくということに我々はかなり自信をもってやっている。今後もやり続けると申し上げて良いと思う。
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